カレー系バックパッカーのブログ

世界一のカレーを求めてどこまでも

県境、国境なんか関係ねぇ!

カンボジアでキレる

タクシーに乗り込むとカンボジアの何もない道をただ突き進む
カンボジアの道路はひたすら真っ直ぐで、
側道は赤土 バイクだったらスリップに怯え続けそうな道だった


僕たちは、カンボジアでいきなり迷子になるというハプニングのせいで
かなり精神的に参ってしまっていた

なので、タクシーの中では睡眠を取ろうと、被っていた帽子を深く下げ
眠りにつこうとした


だが相乗りしていた謎のインド人が急に喋りかけてきた
名前は?職業は?などという何気ない会話だったので、
疲れていたので適当にあしらっていた


しばらく無言が続きやっと休めると思った時、またインド人が喋りかけてきた
「太陽と月どっちが尊いのか?」
咄嗟になんやねんその質問と小声の大阪弁でツッコミを入れてしまったが、
インド人は鋭い眼差しでこちらを見ている


勘弁してくれと思った 精神的にも肉体的に疲れている時に哲学的な話をしたがる奴は
地球上のどこを探してもいないだろう


めんどくさいのでフィフティーフィフティーといかにも日本人らしい曖昧な返事を返した
インド人はお返しに自分の答えを真剣に伝えて来るが、僕たちは適当な相槌で右から左に聞き流した


そして沈黙 もう何も考えたくないと喋りかけんなオーラを出したが、インド人には通用しないらしい 次の質問がきた
「太陽のことをどう思う?」
いや、知らんがなと今の精神状態では
ベリーホットボール(めっちゃ熱い球)としか返さなかった


こんな会話がひたすら続いた
休みたい時に哲学トーク 本当に地獄だった
しかも哲学インド人はタクシーをよく止める
トイレ休憩は許せたが、ビール休憩はイラっとした
どうやらアルコールが無いとダメらしい
哲学トークがだんだん酔っ払いの無駄話に感じてきた


結局一睡も出来ないまま、1時間半ほどでアンコールワットの町シュムリアップへ到着した
しかし、宿も決まってないのに訳のわからない郊外に降ろされた
すると5人くらいのバイクタクシーの客引き達が一斉に僕たちの所にダッシュしてきた
「ヤスホテルアル カモン!」
「ドコイクノオニサン!」
「ヤスイ チープ カモン!」

疲労がピークの所に怒涛の客引き
哲学インド人は客引きに連れられ消えていった
僕らの力のないノーや歩いていくからなど聞く耳を持たない
すると僕の中の何かがプツンとキレた


「マイ フットイズベリー!ベリー!ストロオォォォングッ!! オーケイ!!??(俺の足はめっちゃ強いから歩けんねん!! わかってるか??)」
意味のわからない英語で大声でキレてしまった
客引きは一瞬ドン引きしたが、まだ続けて客引きをして来る
もう無理だと思い無視して小走りで逃げた


宿を探しても全く見つからず、まず自分たちがどこにいるのかもわからないので結局野良のバイクタクシーを拾った
タケオゲストハウスと力なく言うとオーケイと返事が返ってきた
半分死んでる状態でバイクタクシーに揺られているとゲストハウスっぽい所の前に止まった
ぼったくり料金を値切る力もなくお金を払い、チェックインをするためにカウンターへ向かうと、「ウェルカム!サクラゲストハウス!」
いや、タケオゲストハウスって連れてけ言うたやないかーい! 疲労度マックスでもツッコミを入れてしまった


もうどこでもいいやと思い、サクラゲストハウスに泊まる事になった
荷物を置き、ゲストハウスの横にある食堂へ向かった
疲れ果てた体にカンボジアの御飯の美味しさが染み渡った
値段は300円もしないが、この時食べたチャーハンは高級中華店のチャーハンに勝てるぐらい美味しかった


そして何より、ここの食堂の看板娘2人がフレンドリーでとても愛想が良く、可愛らしかった
カンボジア語の美味しい「チャゲン」を教えてもらうと、僕らは狂ったようにチャゲン!チャゲン!と連呼すると、とても喜んでくれた


ご飯の美味しさ、人の良さを感じ疲れが吹き飛んだ
カンボジアはなんていい国なんだと思いながら眠った


続く