カレー系バックパッカーのブログ

世界一のカレーを求めてどこまでも

県境、国境なんか関係ねぇ!

はじめての国境越え

日本では、陸路での国境越えはできない
自分の足で国を跨ぐ事を考えると
はじめてのおつかいぐらいワクワクした


荷物をまとめ、宿を出る
バスの時間までまだ余裕があったので、ディンのいる食堂へ朝食を食べに行った


テンションはマックスなので、朝からタイチャーハンを注文 パイナップルの甘みとカシューナッツの歯ごたえ、チャーハンの塩加減が見事に調和して、とても美味しかった


朝食を食べていると、隣のイタリア人二人組が声をかけてきた
タイのどこが良かったか、どこに行くのかなど色々話をしていると職業の話になり、
僕は「アイアム カラテ ティーチャー」と伝えた


すると1人のイタリア人が俺もカラテをやっているんだ!
目を輝かせて握手を求めてきた
よほど嬉しかったのか俺の型を見てくれといきなり店の外で
バッサイダイを披露してくれた



型はとてもうまく、僕の五倍ぐらいキレがあった 「ブラボー! ユーアーストロング!」と拍手したら、イカツイ顔に似合わず照れていた


イタリア人達と別れ、バス乗り場へ向かう
バスというよりはバンだった
10人乗りくらいのバンに色々な国籍の人が詰め詰めに乗り込み、タイ国境の町アランヤプラテートで国境を越え、カンボジア国境の町ポイペトからアンコールワットの町シュムリアップを目指す

バンの中は楽しく、友達は後ろの方で金髪の外国人お姉さんに囲まれていてとてもハイテンションだった


タイのサービスエリアで休憩してから、
謎のレストランで昼食を挟み16時ごろアランヤプラテートに到着


ビザなどは日本で取得していたおかげであまり面倒無く、タイを出国できた
そのまま歩いてカンボジアイミグレーション方面へ向かう
カンボジアのイミグレーションを突破できれば、陸路国境越え完了だ

特に質問もされず、簡単にイミグレーションを通してもらい友だちのダイティを確認すると、審査員と何か言い合っていた
すると審査がだめだったらしく、また列の最後尾に戻された
いくらヒゲを伸ばしてるとはいえ、日本人が弾かれる事に驚き、カンボジアではダイティの顔はテロリスト顔なのかと考えながら、大丈夫かーと声をかけた


どうやらタイ行きの飛行機で配られた出国カードを無くしてしまったらしい
出国カードを無くすと入国が難しくなるようだ
ダイティは諦めず、三つあるイミグレーションの二つ目に飛び込んだ
何か色々と言い争っていたが敗北し、また最後尾へとぼとぼと帰って行った


そして最後の希望 三つあるうちの最後のイミグレーションへ並ぶ
僕もダイティが突破できる事を祈った
ダイティは土下座する勢いで最後の審査官の前に飛び込んだ
長々と話し合い、なんとか通して貰えることになった
いやー良かったなーと喜んだのもつかの間、イミグレーション突破に時間がかかり過ぎ、同じバンに乗っていた人たちとはぐれてしまったのだ


どこへ行けばいいのかと思いながらイミグレーションを出るとそこには、
タイとは全く違う世界が広がっていた
道路はダイレクトに物乞いをしてくる人々匂い、明らかにカンボジアってるなーと感じた


感傷に浸ってる暇もなく、同じバンの仲間を探す
カンボジア国境の町ポイペトは明らかに治安が良くなさそうだった 日が暮れるとどうなるかわからない カンボジアで迷子になってしまった


はじめてのおつかいで泣きそうになる子どもの様な顔で探し回ると、なんとか乗り換えのバスを見つけることができた


バスに乗り込むと相当待っていたらしく、遅いねんオーラがハンパ無く、ソーリー以外の言葉は出てこなかった


バスが出発すると直ぐにタクシー乗り場に止まった
どうやらここからはタクシーで行けという事らしい


わけもわからず、言われるがままにタクシーに乗り込むと、謎のインド人おっさんも乗り込んできた


どうやら相乗りらしい 日本人2人 カンボジア人 インド人でアンコールワットの町シュムリアップを目指した


続く

カンボジアでキレる

タクシーに乗り込むとカンボジアの何もない道をただ突き進む
カンボジアの道路はひたすら真っ直ぐで、
側道は赤土 バイクだったらスリップに怯え続けそうな道だった


僕たちは、カンボジアでいきなり迷子になるというハプニングのせいで
かなり精神的に参ってしまっていた

なので、タクシーの中では睡眠を取ろうと、被っていた帽子を深く下げ
眠りにつこうとした


だが相乗りしていた謎のインド人が急に喋りかけてきた
名前は?職業は?などという何気ない会話だったので、
疲れていたので適当にあしらっていた


しばらく無言が続きやっと休めると思った時、またインド人が喋りかけてきた
「太陽と月どっちが尊いのか?」
咄嗟になんやねんその質問と小声の大阪弁でツッコミを入れてしまったが、
インド人は鋭い眼差しでこちらを見ている


勘弁してくれと思った 精神的にも肉体的に疲れている時に哲学的な話をしたがる奴は
地球上のどこを探してもいないだろう


めんどくさいのでフィフティーフィフティーといかにも日本人らしい曖昧な返事を返した
インド人はお返しに自分の答えを真剣に伝えて来るが、僕たちは適当な相槌で右から左に聞き流した


そして沈黙 もう何も考えたくないと喋りかけんなオーラを出したが、インド人には通用しないらしい 次の質問がきた
「太陽のことをどう思う?」
いや、知らんがなと今の精神状態では
ベリーホットボール(めっちゃ熱い球)としか返さなかった


こんな会話がひたすら続いた
休みたい時に哲学トーク 本当に地獄だった
しかも哲学インド人はタクシーをよく止める
トイレ休憩は許せたが、ビール休憩はイラっとした
どうやらアルコールが無いとダメらしい
哲学トークがだんだん酔っ払いの無駄話に感じてきた


結局一睡も出来ないまま、1時間半ほどでアンコールワットの町シュムリアップへ到着した
しかし、宿も決まってないのに訳のわからない郊外に降ろされた
すると5人くらいのバイクタクシーの客引き達が一斉に僕たちの所にダッシュしてきた
「ヤスホテルアル カモン!」
「ドコイクノオニサン!」
「ヤスイ チープ カモン!」

疲労がピークの所に怒涛の客引き
哲学インド人は客引きに連れられ消えていった
僕らの力のないノーや歩いていくからなど聞く耳を持たない
すると僕の中の何かがプツンとキレた


「マイ フットイズベリー!ベリー!ストロオォォォングッ!! オーケイ!!??(俺の足はめっちゃ強いから歩けんねん!! わかってるか??)」
意味のわからない英語で大声でキレてしまった
客引きは一瞬ドン引きしたが、まだ続けて客引きをして来る
もう無理だと思い無視して小走りで逃げた


宿を探しても全く見つからず、まず自分たちがどこにいるのかもわからないので結局野良のバイクタクシーを拾った
タケオゲストハウスと力なく言うとオーケイと返事が返ってきた
半分死んでる状態でバイクタクシーに揺られているとゲストハウスっぽい所の前に止まった
ぼったくり料金を値切る力もなくお金を払い、チェックインをするためにカウンターへ向かうと、「ウェルカム!サクラゲストハウス!」
いや、タケオゲストハウスって連れてけ言うたやないかーい! 疲労度マックスでもツッコミを入れてしまった


もうどこでもいいやと思い、サクラゲストハウスに泊まる事になった
荷物を置き、ゲストハウスの横にある食堂へ向かった
疲れ果てた体にカンボジアの御飯の美味しさが染み渡った
値段は300円もしないが、この時食べたチャーハンは高級中華店のチャーハンに勝てるぐらい美味しかった


そして何より、ここの食堂の看板娘2人がフレンドリーでとても愛想が良く、可愛らしかった
カンボジア語の美味しい「チャゲン」を教えてもらうと、僕らは狂ったようにチャゲン!チャゲン!と連呼すると、とても喜んでくれた


ご飯の美味しさ、人の良さを感じ疲れが吹き飛んだ
カンボジアはなんていい国なんだと思いながら眠った


続く

バイタクで快適遺跡巡り

カンボジア初めての朝
ゲストハウスを出ると、バイクレースのような光景が広がっていた カンボジア人はバイクが大好きみたいだ


朝からゲストハウスの前に張り付いているバイタク運転手の、しょうもない下ネタと勧誘をジャパニーズ愛想笑いで流しながら朝食を済ます


今日はダイティとは別行動になる
ダイティは乗合バスで3時間の場所にある遺跡へ向かった 僕は昨日の移動で車はこりごりだったので、お先にアンコールワットを見ようと思っていた


1人になってゲストハウスをさまよっていると、日本人の郷田さんという方と知り合い、2人でアンコールワットへ向かう事になった


僕は昨日、隣の食堂で知り合ったバイクタクシーの運転手に電話をし、ゲストハウスに来てもらった ゲストハウス前の下ネタクシーは避けたかったのだ


バイクタクシーは直ぐに到着
値段はまけてくれなかったが、クーラーボックスに大量の水を詰め込み、飲み放題にしてくれる気の利くカンボジアのオッちゃんだ


2人でバイクタクシーに乗り込み出発
風がとても心地よく、快適だった



僕の中ではアンコールワットはあの有名な仏塔だけかと思っていたが、そうでは無いらしく、色々な遺跡が集まる遺跡群だった


顔写真入りのパスを買うと今からユニバーサルスタジオジャパンに入る時の気分になる
イミグレーションのような入り口を通り、最初の門での記念写真

青年2人がカンボジアのオッちゃんをオヤジ狩りしてるように見えるのは気のせいだろう バイタクのオッちゃんのピースの癖が凄い


しばらく走ると、仏塔の上の方に顔が彫られているアンコールトムへ到着
バイタクのオッちゃんが記念写真を撮ってくれるのだが、ポーズの指定が厳しく、謎に両手を広げたちょっと恥ずかしいポーズをさせられた


アンコールトムは全て石で出来ていて、至る所に3D仕様に彫られた仏の顔があり、
別世界に来たように感じた。

しばらく眺めていると出発の時間になっていた そして次の遺跡へ向かう


次の遺跡はタ プローム遺跡
遺跡と自然が融合した遺跡だった
ここだったらインディジョーンズのコスプレをしたらめっちゃ似合うやろなと思いながら遺跡を回る
すると木が遺跡に根を張っている
遺跡に栄養があるのかとアホ丸出しな想像をしながら眺めていた


そして最後にアンコールワットへ向かった
謎の像の前でお決まりのポーズで記念写真
こっそりポーズをアレンジしたが、怒られなかった

楽しく快適だった遺跡ツアーの締め、夕日を見に遺跡内の丘へと向かった 丘の上までは割と急で息を切らせながら登ると、そこからは薄々気づいていたが、
もう沈んでる55点くらいの夕日を拝む事ができた


宿へ戻り、郷田さんとビールで乾杯しているとダイティも帰って来た
「マジでヤバかった」「ほんまに凄い」などの
語彙力ゼロの感想を言いあう

明日もアンコールワットへ行くが、1日では回りきれないくらい魅力がある遺跡だった


続く